第554回 今度のリサイタルにいらしてくだる皆さまへ

ステージのお仕事はそれぞれ緊張しますし、いくら準備してもしたりないような気持ちになるものですが、自主公演はそのきわみです。

実際に、準備しなくてはならない事柄は、依頼公演とは比べ物にならないほど多くなります。チラシ(フライヤー)、チケットの作成や集客はもちろん、ご案内状をつくって送付したり、当日の受付や録音係などのスタッフの調達(あ、これ、まだだった!)、当日用プログラム作成(あら大変、これもまだだ!)、当日受付のための筆記用具やおつりの準備などなど…。逆に言えば、依頼公演の場合にはこれらのことを主催者の方がしてくださっているのですから、もう感謝感謝です。

そして、もちろん、何をおいてもそのための「練習」です!もう二十歳の若者ではないのだし、練習量があまりにも多すぎると翌日に疲れが残ってしまいかねないので、巨匠ヴァイオリニストのイツァーク・パールマンのアドヴァイスに従って、一日の練習時間は5時間を越えないようにしてはいます。それでも、日常の家事や雑務、普段どおりの生徒さんのレッスンもあるわけですから、目が回るようです。

「少し気晴らししたら?」と、いってくださる方もありますが、仮に気晴らしに出てもそれが練習可能な時間帯ならずっと気になって、かえってストレスになりそう…。たぶん逆効果です。こうなると、心からホッとできるのは夜だけなのです。そうして一日一日どんどん加速され、あっという間に当日を迎える、というのがいつものパターンです。

実は、今回のリサイタルは『デビュー25周年』という節目にあたるのですが、あまり大きな声でお知らせしてはいません。だって25周年ということは、いくら若くしてでデビューしたと仮定したって「それなり」の年齢をこえている、ということになってしまいます。普段な「歳はあまり気にしないことにしているの」なんて言っているくせにかっこう悪いのですが、やはり自分の実年齢をアナウンスするのは気が引けるものです。

奇しくも、その25周年の今年のリサイタルは東日本大震災の復興支援チャリティーになりました。東北に育ててもらった身として何ができるかを考えたものの、これ以外には頭に浮かびませんでした。

ここで、当日いらっしゃるお客さまに少しご連絡をさせてください。

プログラムは、いつものように私が手作りしています。と、言っても、パソコンで作成した文書をプリント、あるいはコピーしたものを手で一枚一枚折っただけの簡単なものですが。その際、贅沢な紙を使うとコストがかかってしまい、そのぶん収益が減ってしまうことになるので、簡素なものになります(ああ、そろそろ作らなくちゃ!)。どうぞご了承下さい。

仙台のお客さま、よろしかったらご都合のつく範囲で早めにお出かけ下さい。実は会場の形状の特性のため、後方の座席ですと、場合によっては私の頭しか見えない、といういことになってしまうのです。「もっとひろい会場で!」というご意見も頂いたのですが、このリサイタルにはヤマハ仙台店さんにもご協力いただき、通常よりもお安い料金で使わせいていただいております。ご理解いただけましたら幸いです。

今回はバレンタインデーにちなみ、全員の皆様におみやげのプレゼントがございます。詳細はフライヤー(チラシ)にご案内いたしましたが、カフェふくろうさんが快くご協力くださって、本当に美味しいコーヒーのドリップパック“ブレンド・アパッショナータ”(*某“Bルックス”のそれとは比べ物にならないほどすばらしい!)と、私の大好きなレシピのコーヒー入りチョコレートクッキーをご用意いたします。終演後、ホール入り口にてお渡しいたしますので、どうぞお持ち帰り下さい。また、どうしても途中でお帰りになる場合には、スタッフにお声掛け下さいましたら、お渡しいたしますので、なんなりとおっしゃってください。

当日、私のCDの販売も予定いたしております。いつものように、ご希望の方にはサインをいたします。今回に限り、CDの売り上げも義捐金とさせていただきます。よろしかったらお手にとってみてください。

仙台、東京ともに、終演後は出入り口にて私もみなさまのお見送りのご挨拶をいたします。お時間のある方はぜひ、ひとことお声をかけてくださいましたら嬉しいです。

・・・以上です。本来ならネットではなく、お客さまに当日ご案内すべきことですが、頭の中が一杯、胸も一杯、になって抜けてしまうといけないので、自分に対しての確認もこめてこの場をお借りしました。

「ドレス、ちゃんと入るかしら」という、いつもにはない心配も頭をよぎるこのごろですが、お客さまに体重ニ割増し(前回比)の増量キャンペーン(?)による豊かな音色を楽しんでいただけるよう、今日もしっかり食べるぞ!と。

2012年01月27日

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