第383回 危険な中毒症状
相変わらずつい、毎日のように食べてしまっている嗜好品があります。アイスクリームです。特に昼食後、どうしても食べたくなってしまうのです。自宅にいるときはほとんど毎日食べ続けていて、もはや生活習慣――癖――になってしまっています。他のおやつも食べたいけど、それは朝ごはんの後や、午後のティータイム、あるいは“おめざ”ならぬ“おやす(就寝前)”の甘みの時間に頂くことにして、昼食後は何はなくともアイスクリームが一番!…なのです。
この習性の根っこは、高校時代に遡ります。お堅い公立の進学校だったのに、なぜか購買部にアイスクリームが売っていて、夏は汗をかきかき、冬はストーブを囲んで暖をとりながら、毎日のようにアイスクリームを食べていました。それがなんとも至福のひと時で…。アイスクリームには、その時から脈々と抱き続けている、幸福のトラウマがあると思われます。
冷凍庫に常備するようにはしていますが、入っていなければ紫外線が一番強い時間帯だろうが、気にせずひょいひょいと食べに出ます。幸い、徒歩数分圏に“北海道プレミアムソフト”なるものが食べられる大型コーヒーチェーン店「D」や、期間限定の名物ソフトクリームが売りのコンビニエンスストア「M」があるので、ストレスがたまりません。近所にはさらに、市販のアイスクリームが常に四割引(!)で買える“業務用スーパーK”まであるので、家計簿対策はばっちりです(?)。ああ、私はなんて素晴らしい環境に住んでいるのでしょう!
実はアイスクリームメーカーというものも持っていて、一時期せっせと自作していたこともありました。が、一度作るとそれを食べきるまで一種類のアイスクリームと格闘しなければならないのがネックで、最近は遠ざかっています。
ところで昔、NHKの番組“みんなのうた”に『アイスクリームの歌』というのがありました。もともとは1960年に生まれた作品なのだそうです。
おとぎ話の王子でも 昔はとても食べられない
アイスクリーム アイスクリーム
ぼくは王子ではないけれど
アイスクリームを召し上がる
スプーンですくって ピチャ チャチャ
舌にのせると トロン トロ
のどを音楽隊が通ります
プカプカ ドンドン 冷たいね
ルラ ルラ ルラ 甘いね
チータカタッタッタ おいしいね
アイスクリームは 楽しいね
おとぎ話の王女でも 昔はとても食べられない
アイスクリーム アイスクリーム
わたしは王女ではないけれど
アイスクリームを召し上がる
スプーンですくって ピチャ チャチャ
舌にのせると トロン トロ
のどを音楽隊が通ります
プカプカ ドンドン 冷たいね
ルラ ルラ ルラ 甘いね
チータカタッタッタ おいしいね
アイスクリームは 楽しいね
おとぎ話の王子でも 昔はとても食べられない
アイスクリーム アイスクリーム
この歌詩の中の「ぼく(わたし)は王子(王女)ではないけれどアイスクリームを召し上がる」という部分が子供心にも引っかかり、「なぜ“ぼく”なのに“召し上がる”なんて尊敬語になっているの?」と気になっていました。「アイスクリームを食べちゃうぞ!と思うと、あまりに嬉しさに気持ちがハイになって、思わずふざけてしまったのかな?あ、それとも、王子でもなかなか食べられないアイスクリームを食べることができる“ぼく”は、確実に“王子以上”の身分なのだから、それがたとえ自分だろうと尊敬語を使わなければね、という意味から?」なんて、頭のなかであれこれ考えをめぐらせていたのでした。
この歌を聞くたびに「私もアイスクリーム食べたい食べたい!」と思い、ちびくろさんぼのエンディングを読むたびに「私もバターたっぷりのパンケーキ食べたい食べたい!」と思い、赤毛のアンを読んではあまりに美味しくてダイアナが飲みすぎてしまった「ブドウ酒」に憧れ、くまのプーさんの手についたとろ~りとしたハチミツを見ては舌なめずり…。考えてみたら、常に食い気(と、飲み気?)満々の少女時代だったなぁ。
なぜか日本の物語に出てくる「まんじゅう」や「お団子」よりも、西洋のものにより心惹かれる傾向があったのは、やはり未知のものに対する興味や憧れが強かったのでしょうか。
それにしても、甘いものといいブドウ酒といい…どうしてこうも美味しいのでしょう!ほとんどツミです。一生、やめられそうにありません。ちなみに、アイスクリームで一番好きなフレーバーはチョコレート系。ケーキもそうなのですが、爽やかで軽いものよりも、風味が濃厚でしっかりと甘いものが好きです(←その方が満足感があるから!)。ブドウ酒は泡か赤の辛口、日本酒も辛口好きで(←その方が、ずっと飲み続けても飽きないから)、コーヒー、紅茶はストレート派です。あら?飲み物はしっかり“おやじ系のん兵衛”好みなのに、甘党とな?…なるほど、コレステロールが高いわけですね。納得。