第315回 忘年じゃなくて「覚年会」
今年もあとわずか!私はというと年賀状にも手がつかないまま、お酒と音楽と美味しいもの、そして大好きな人たちと一緒に過ごす日々を過ごしています。
先週金曜日は3~4ヶ月ぶりに美容院に行って、20年近くぶりにバッサリ20センチ近く髪を切り、その足で友人のジャズライブへ出かけ深夜まで大盛り上がり。土曜日はお弟子さんと一緒に近所の大好きなイタリアンでゆったりランチ(いつ行っても美味しい!こんなお店がすぐ近くにあるなんて、つくづく贅沢…)。夜はお気に入りのワインバーで開かれた、モンドールと言う季節限定のフランスのチーズとワインの賞味会に出席。翌日の日曜日は早朝に仙台に移動、月曜日にかけて真面目に生徒さんのピアノレッスン。でも、久しぶりに愛しの甥っ子たちと会えたのは、とても嬉しいクリスマスプレゼントでした。(この仙台の二日間は、クリスマスでした)。
戻った翌日の火曜日には、まず大学時代の親友で、一枚目のCD『三つの水彩画』で共演したフルーティストの清水さんと久しぶりに会って、美味しいベトナム料理のランチ。女同志の会話(内容はナイショ!)に花が咲き乱れ、時間を惜しみつつお開き。その後、銀座のギャラリーで開かれている、地元宮城県の誇る染織作家で、もう10年来のお付き合いをさせて頂いている笠原さんの作品展を見に出かけました。一緒にいらしていた息子さんとも久々にご対面。前はうんと小さかったのに、いつの間にか私と同じ背になって…。特に初めて拝見した新作の帯は、素晴らしく印象的でした。嗚呼、いつか彼に、着物をお願いできるようになりたいものです。
その夜には、12月1日にリリースされた初のソロアルバム『Piano Piecse From Finland』製作主要メンバーが、都内のこれまた大好きな某レストランに集まって、CDリリース後25日を経てやっと打ち上げができました(この日は猛烈な大雨でした)。ディレクターの町田さん、エンジニアのイチローさん、デザイナーの麻実さんと四人で、美味しいお料理とワインにうつつをぬか…、じゃなくて舌鼓を打ちながら、音楽のこと、食べ物のこと…話は尽きません。食後もオーナーシェフの伊藤さんと、夢のようなお話をすることしばし。彼は毎年、一ヶ月間お店を閉めて海外に料理修行に行くという、まれに見る研究熱心な方なのです。来年は、今までの南インドではなくモロッコもいいな、と考えているとのこと。「いいですね、モロッコ!タジン、大好きなんです」「美味しいですよね、タジンは僕も好きです。勉強してみたいですね。」「モロッコと言うと、お茶もT(The)とC(Chai)のちょうどキワになるのでは?」「そうなんですよ。西洋と東洋のちょうど境界線ですよね。」ああ、この伊藤シェフがモロッコ料理を手がけたら、さぞかし素晴らしいものになるに違いない!
水曜日は20時までレッスン。夜には先週末に開かれたバッハのライブコンサートの製作メンバーが自宅に集まって、急遽用意したローストビーフや、頂いたヒラタケをオリーブオイルとワインビネガー、ちょっぴりのにんにくで仕込んでおいたマリネ、はたまた先日焼いたキャロットケーキや、母の手製のクリスマスプディング(といっても、母のは長期保存ができる本場スタイルのハードタイプ。スパイスの効いたシュトーレンのような焼き菓子です)らをつまみながらチリワイン、ポートワイン、そしてコーヒーで反省会&ライブのDVDの鑑賞会になりました(お開きは午前2時半!)。木曜日には、大切な10代の頃からの親友と銀座で会食。当然ワインはボトルがしっかり空いてしまいました。さらに真夜中の帰宅後、某所でこれまた素敵な方と音楽談義に花が咲いて、あれよというまに3時過ぎ。時間は一体、何処へ消えていくのでしょう?
連日就寝は午前3時から4時、睡眠時間は3~4時間、というペースが続いていますが、不思議に元気ですし、いつもの時間に目覚ましがなる前にすっきり起床(これは歳のせい?)。それというのも、色々な方とのお話しの中から様々なアイディアや、知らなかった分野についてのガイドを頂いて、睡眠時間は減っても、気持ちがそれ以上に充実するからなのかもしれません。直接的な音楽の話であってもなくても、これからの自分の方向性についてのヒントを頂けたり、何気ない会話の中から思いがけない発見を得るのは、なんと楽しいことでしょう!
以前から不思議に思っていたのですが、なぜ「忘年会」なんでしょう。言葉の意味としては理解できますが、何もムリに(?)忘れなくてもいいのに…。それどころか今年一年を振り返り、それを改めて大切に心に留めて、新しい年を迎える準備をしたいという気がするのです。だから、私にとって「忘年会」は「覚年会」。
この一年は、忘れられない(忘れたくない)素敵な年になりました。この数日の睡眠不足と暴飲暴食(?)で、お肌は相当なダメージをくらっていますが、心は健やかです。周りの方々に改めて心の底から感謝をしながら、新たな年を迎えたいものです。