第305回 まずはリズムをつかみたい
久しぶりに会った大学時代の同級生が、以前と比べて別人のように痩せて(正確に言うと“締まって”)いました。どうしたのかと思ったら、ジムに通って身体作りしているうちにどんどん楽しくなってきて、先週はハーフマラソン完走、12月にはホノルルマラソンにも参加する、というのです。ジムに通いだしたのは4月ということなので、彼女はほんの半年足らずで体重8キロ、ウエスト10数センチ、体脂肪○%を落としたことになります。すごい!
きちんとプロに指導をうけながらトレーニングを重ねているだけあって、ただ痩せたのではなく、健康的な魅力が増した印象です。ますますナイスバディになった彼女を今風に表現すると、ひと言「クール(=カッコいい)!」。早朝走っているのだそうですが、話を聞いているとあまりにも気持ちよさそうなので、「私もやってみたい」という気持ちになるも、『夜中の二時三時(昨日に至っては5時!)まで何のかんので夜更かし→朝はいくら早くても8時が限界→しかも、起きたらとってもお腹が空いている→運動よりもごはんごはん!』という構図から脱却できず、なかなか実現できそうにありません。
彼女曰く、「夜12時から3時の間に筋肉組織がつくられるんだから、その時間にはちゃんと寝るようにした方がいいの。そうじゃないと、お肌のためにもよくないし…」はい、分かりました、頭では…。でも、情けないことに身体がついていかない…いや、実際問題として、生活のリズムを切り替えるのは至難の業です。…と、もそもそ言っている私に、彼女の攻撃(?)は容赦なく続きます。「だいたいね、美奈ちゃんは痩せすぎだよ。え?体脂肪16%?…少なければいいってもんじゃないの。少なすぎるのは“虚弱”といって、健康じゃないのよ。楽器弾くのにもよくないんだから。」
ふむ、そこまで言われちゃ、黙っていられない。…ちょうどいい頃合いを見計らって、生活改善を決行することにしました。ちょうどいい頃合い…それはずばり、今度の誕生日(きりの良いことに、11月1日)です。だって、今月中にやらなければならない、夜ふかし作業がいくつかあるし、どう考えても今すぐは難しいんですもの(なんて、言い訳ですが)。
① CDのジャケットデザインを、デザイナーとメールで打ち合わせを重ねつつ決める
② CDの曲目解説文を書き上げる
③ 2月のSYMPOSIONコンサート第二弾のフライヤーのテキストを提出。その後デザイン、文字を校正
④ ③のコンサートの後援願いを作成する
⑤ 来月初旬のライブコンサートの日程調整。曲目、構成を固める
⑥ インターネットラジオの収録(これは一日で終わる!)
⑦ 来週の自宅でひらく「ヒミツのお食事会(?)」のメニューを決める(これは単に“お楽しみ”!)
これら全部を今月までに片付けて、来る誕生日11月1日から生まれ変わったような生活に切り替える…ああ、考えてみただけでもわくわくします。その、生まれ変わった生活、のための変更ポイントは以下のとおり。
① 夜は12時前に就寝。朝は6時頃に起床。小一時間歩く。あるいは軽くジョギング。
② 午前中に一日の食事の下ごしらえ、お掃除、お洗濯を完了。さらに2~3時間ほどの練習時間を確保
③ 夕食前に軽く運動(ストレッチ、あるいはヨガ)
身体が(アタマではなく)単純に疲れて、すとんとぐっすり眠れたらどんなに気持ちがいいでしょう!…かくして私の生活リズムは、健康的かつ合理的に改善されていくのです。おまけに、長年の悩みである冷え性、足のむくみ、寝つきが悪いことにも、かなり効果が期待できそう。う~ん、我ながら素晴らしい計画です(実現できるかはおいといて)。11月と言えば、少しずつ空気がひんやりと澄んできて、きっと運動するのにはとても心地よいことでしょう。幸い千葉は実家のある仙台のように冬に雪に覆われることもないので、ひどい雨降りでもない限り、冬も毎日のように歩けそうです。
目標は「丈夫で長持ちのするピアニスト」。歳をかさねるにつれ、失っていく部分と豊かになっていく部分の両方をそのまま受け止めながら、変化していく自分を素直に追及していけたら…。そして、それを屈託なく表現していけたらいいな、と思うのです。物忘れが激しくなったり、口がすいすい動かなくなってもそれを嫌わないで、むしろ新たな魅力に変えてしまう噺家さんのような芸人魂(すごく厳しいことですが)に、憧れているのかもしれません。願わくば、「あの人の弾くピアノ、本当にうまいね」というよりも、「あの人のピアノは、本当に愉しいね」と言われたい…。そのためには、一日でも永いことピアノが弾ける身体がなくては、はじまりません。
果たして、今月中に仕事はすべて片付き、来るXデーは記念すべき初めの一歩になってくれるのでしょうか(あ、その前に、ウェアとシューズを用意しなくっちゃ…)。