第269回 美味しい時間

今日はとっても楽しみにしていた、音楽仲間で親友のフルーティストの清水理恵ちゃんと作曲家の清水研作夫妻をお招きしての、忘年会。ゆっくり自宅に来ていただくのはなんと、二年ぶりです!千葉県八千代市の住人になってもう8年目になり、住めば住むほど、知れば知るほどこの街が大好きになってくるのですが、いかんせん都心から遠い…(慣れてしまえばすぐ、なんですが)。友人や音楽仲間のほとんどが東京都内、あるいは神奈川にいるので、ここ八千代に住んでいての唯一の不満は、友人を招きにくい、ということなのです。

それだけに、友人が来る!というのは私にとって、大きな楽しみ、いや、もう一大イベントです。さて、今日一日のスケジュール。

…8時起床。特製手作りチーズもどき(豆腐の味噌漬け)に合わせるクラッカーを焼く。焼いている間に洗濯機を回す。9時までにクラッカー焼き上がり、同時に朝食も済ませてしまう。その後、お掃除。終了後、時間のかかる本日のメインの肉料理を仕込んだあと、本日の買出し。3箇所ほど回って、テーブルに飾るお花や野菜、ミルクやら、オードブル用に近所の自家製ドイツハムのお店で“血とタンのソーセージ”という名のハムを購入(これが絶品!)。ここでグラハム紛とライ麦入りのパンを仕込む。まかない的なお昼をとって、どんどんメニューの仕込みをすすめ、3時頃一段落。ちゃんとティータイムをとって気分転換。ピアノに向かう。ベートーヴェンの後期ソナタを勉強。そのあとまたキッチンにこもって、仕上げ。6時に清水夫妻来宅。…

ヴィンテージ1999年の、ロワール地方の辛口スパークリングワインと、同じヴィンテージのフルボディーのオー・メドックの赤ワインに合わせた渾身の本日のメニューは以下のとおりです。

前菜①:豆腐の味噌漬け(チーズもどき)自家製グラハムクラッカーとともに
前菜②:ブーダン・ノワール(血のソーセージ)ヤーコンの自家製シャキシャキピクルス添え
スープ:栗かぼちゃのポタージュ
お魚料理:タラのポテトのグラタン仕立て
お肉料理:牛すね肉のビール煮北フランス風カリフラワー添え
自家製パン、カフェ
デザート:豆腐のティラミス風

ポイントは、フランスの風土の香りを意識して、ポタージュに少しだけぺルノー酒(パスティス)を入れたこと。お魚料理は、タラとにんにくをミルクで煮て一緒に摺りつぶし、マッシュしたポテトと合わせて、あめ色に炒めた玉ねぎを敷いた上にのせ、たっぷりのチーズをかけてオーブンで焼く、フランスの古典料理です。お肉の方は、フランスでも比較的良くビールを飲む北の地方のレシピですが、煮込む前にすね肉をしっかりフランスの赤ワインでフランベして、風味はバッチリ!デザートはマスカルポーネチーズを秘密のお豆腐クリームで代用して、かなりカロリーカット仕様です。

以上、かなりのボリュームでしたが、約3時間にわたって(!)すべてきちんと食べてもらって、大いに語り、おおいに笑い、満足満足。…でも、お酒も食べ物もいいけど、何といってもいちばんのご馳走は、掛け替えのない友人とのリラックスした時間なのです。清水夫妻とは色々な話がはずんで、最後まで爆笑のたえない素敵な年末のひと時を過ごすことができました。これで、明日は、ちょちょっと大掃除、ならぬ小掃除をして、今年もおしまいです。気合満タン。来年もどうぞよろしく…!

2005年12月30日

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